研究課題
高齢化社会を迎え、癌、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病人口が急増し、経済的にも社会的にも大きな問題を将来に控えている。この状況を打破し医療費の削減や患者のQOL向上を実現する為にも、疾患を早期に診断し、的確な薬効予測に基づく投薬で早期に完治する予防的治療の確立が重要である。本申請では、血液一滴で、数十種類の、蛋白質バイオマーカーを、超高感度に迅速診断できる診断法として、超高感度多項目同時診断法(MUSTag:Multiple Simultaneous Tag)を用いて、共同研究、共同開発を通して、新規の解析機器の開発、さらには、これらを用いたトランスレーションリサーチへの応用を推進することを目的とした。(1)アッセイ時間の短縮は、バッファーや測定法の改良にて、1時間前後に短縮可能となった。(2)最高検出感度は、使用する抗体にもよるが、数fg/mlを達成できた。(3)多項目数の目標として、現状のアッセイ系が3Plexで十分との判断から、今回はPlex数を増やすことは残念した。ただ、測定機器が改良されれば5-10Plexは可能であることが明らかとなった。(4)MUSTagアッセイでもっとも時間を有する定量PCRの過程を短縮するため、企業との共同開発にて超高速RT-PCRを開発し、プロトタイプが完成した。これによりアッセイ時間が10分程度に短縮でき、目標を達成できた。今後はさらに改良を加えていく予定である。(5)ヒト臨床サンプルを用いたMUSTagアッセイでは、血清を用いた遺伝病、尿を用いた膀胱癌、髄液を用いたアルツハイマー病において、アッセイ条件が決定できた。また、細胞培養液、細胞抽出液においても良好なアッセイ結果が得られた。今後は、各疾患に応用し、実用化を目指す。
すべて 2008 その他
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