研究課題/領域番号 |
19650145
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原田 規章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70116747)
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研究分担者 |
大成 博文 徳山工業高等専門学校, 教授 (30045041)
中村 彰治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80112051)
稲垣 順子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20193542)
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キーワード | マイクロバブル / 末梢血流 / レーザードップラー式血流計 / サーミスタ温度計 / 水流 / 非侵襲的理学療法 |
研究概要 |
大成らの特許に基づいた装置を開発し、レーザードップラー式血流計およびサーミスタ温度計を用いて、人体におけるマイクロバブルの血流促進作用について検討した。マイクロバブルは水中で収縮するが破裂しないことが示されており、その機序は従来の気泡浴で示されている気泡破裂時の超音波発生作用とは全く異なるものと考えられている。 健常男性6例(23〜26歳)を対象とした。右足中趾末節掌側・背側にレーザー血流計(オメガウェーブ、FL0-C1)、同示趾末節掌側・背側にサーミスタ温度計(テクノセブン、K730)のセンサーを装着した。別に、上腕血圧およびサーモグラフィ画像を測定すると共に、自覚的な反応をスコアで調査した。両足の足関節まで33℃の水に10分間浸漬させ、1)マイクロバブルを発生させた場合、2)マクロバブルを発生させた場合、3)水流のみを与えた場合の3条件を比較した。 6例全てにおいて、マイクロバブル発生の条件で浸漬中に血流量の増加が観察され、マクロバブル、水流のみの条件と比較して有意差が認められた(p<0.05)。マイクロバブル浴終了後においても、浸漬前と比較して血流量が高い傾向にあることが観察された。マイクロバブル発生の条件において、浸漬中に皮膚温の上昇傾向が観察されたが、他の条件との差は有意でなかった。 マイクロバブル浴が末梢血流促進効果を持つ可能性が示された。末梢循環障害患者を対象とする実験を継続すると共に、これまでの実験結果と併せて水温や水流速度との関連をさらに検討し、非侵襲的理学療法としての有効性の評価について総合的に明らかにする。
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