研究概要 |
本研究の目的は脳卒中や虚血性心疾患の原因となり、糖尿病や高血圧を合併するメタボリックシンドロームに対する効果的な運動療法の方法として、有酸素運動が主体で心身ともに快適に運動が行えることにより継続性が高い乗馬の効果に対して、まず至適運動方法を検討し、運動継続によるインスリン抵抗性の変化、体幹・下肢筋力の向上、気分プロフィールの変化について検討することである。今年度は至的運動方法の検討として健常者に対する乗馬レッスン中のカロリー消費量の評価と心拍数の変化、乗馬中の各運動パターンにおける運動解析を中心に研究を施行した。乗馬レッスン中の消費カロリーに関しては45分間のレッスンで平均約450kcalの消費があり、乗馬運動中の心拍数変化については120-140の中程度の強度での運動時間が最も長く、メタボリックシンドローム患者においても安全にカロリー消費ができ、疾病の改善につながる効果が期待された。また運動解析においては速足(はやあし)および並足(なみあし)において、側面からの運動解析で下肢・体幹の運動が活発に行われている結果が得られ、下肢・体幹の筋力向上および比較的体積が大きい筋肉の運動による有効なカロリー消費がメタボリックシンドローム患者における運動でも期待された。研究成果については平成20年11月1,2日に千葉県で開催される第19回日本臨床スポーツ医学会で報告予定しており、またリハビリテーション医学関連雑誌でも論文報告を行う予定としている。
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