(研究1)腱ステイッフネスと関節ステイッフネスの関係 ジャンプパフォーマンスにおける反動の効果とアキレス腱ステイッフネス、足関節ステイッフネスおよび筋活動水準との相互関係を検証した。24名の成人男性が足関節のみによる3種のジャンプ運動(SJ、CM、DJ)を実施した。SJに対するCMJおよびDJ跳躍高の増加率を反動効果として算出した。ジャンプ中の足底屈相における下腿三頭筋の平均筋電図積分値を筋活動水準の指標とした。足関節ステイッフネスはDJ中の背屈相における関節トルクー角度関係の傾きから、腱ステイッフネスは等尺性足底屈運動中のアキレス腱の張力-伸張量関係の傾きから各々算出した。腱ステイッフネスは、CMJおよびDJの反動効果と有意な相関関係が認められたが、関節ステイッフネスとは相関関係がみられなかった。SJに対するCMJにおける筋活動水準は、CMJの反動効果と有意な相関関係が認められたが、DJでは相関関係はみられなかった。以上の結果より、CMJの反動効果は腱ステイッフネスおよび筋活動水準増加の両方が関係し、DJの反動効果は筋活動水準増加よりも腱ステイッフネスがより影響を及ぼしている事が窺えた。さらに、関節ステイッフネスはジャンプ運動における反動効果と関係しない事が明らかになった。(Kubo ら 2007 Eur J Appl Physiol) (研究2)陸上長距離選手の筋腱の力学的特性およびジャンプパフォーマンス陵上長距離選手15名を対象にして、下肢筋群(膝伸展筋群および足底屈筋群)の筋厚、最大筋力、筋の活動水準、腱の力学的特性、および各種ジャンプパフォーマンス(SJ、CMJ、DJ、連続ジャンプなど)を測定した。一般成人と比べて、足底屈筋群の筋厚が有意に厚く、いずれのジャンプ高も有意に低いことが明らかになった。その他の項目については、現在分析をすすめている。さらに、1年間のシーズン毎の変化については来年度に測定する予定である。
|