平成20年度は平成19年度に行った1)テスト用人工芝のサンプルの作成、2)着地衝撃力の測定、3)衝撃吸収性能測定用の試験機の開発をもとに、サッカーやラグビーにおけるヘディングやキャッチの際のジャンプの後の着地動作に近い力を開発した試験機により加えることで、人工芝の衝撃吸収性能を実際のスポーツ場面により近い条件で測定し、あわせて、天然芝における衝撃吸収性能も同一の方法で測定し、天然芝との比較を行った。また、横方向の力に対する応答を、急激に走方向を変える切り返し動作をサッカー選手に行わせ、踏込み時のサッカーシューズの挙動を高速度撮影により測定した。その結果以下、1)これまでサーフェイスの衝撃吸収性能の評価に標準で用いられてきたDINの試験機は芝や人工芝での実際の着地時の衝撃力を忠実に再現せず、また、天然芝を含む芝サーフェイスの衝撃吸収性能を正しく評価していないこと、2)ロングパイル人工芝では、充填する砂やゴムチップの材質、充填料、充填割合等により衝撃吸収特性が異ること、3)天然芝はロングパイル人工芝に比べ着地衝撃力の立上り特性が異ること、4)人工芝における、高速の切り返し動作では、スパイクのブレードの形状によっては引っ掛かりが強いことが明らかとなった。
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