研究概要 |
本研究の第一の目的は、被験者に非接触で人体計測を行うことが可能な3次元人体計測装置を開発し、人体計測法に対して新しい視点を提供することである。レーザーシートビーム光を用いた形状測定装置を人体の三次元計測をスポーツ科学に応用し、従来からの人体計測に加えて、体表面積、体節体積も計測対象とした。 光学式三次元人体形状測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いてスキャンした画像からClauser(1969)に従い、身体を14体分節に区分しそれぞれの体積を算出し、身体密度の値を乗じて体分節質量(SM)及び相対質量(%SM)をそれぞれ算出した。被験者は体操競技男子全日本ジュニアトップレベル選手(以下GM群:身長149.9±11.2cm,体重43.8±6.9kg)と同年代の標準的な中学生男子(以下NM群:身長153.5±12.3cm,体重42.2±7.7kg)とした。SMではすべての部位で両群に大きな差がみられなかったが、%SMではそれぞれ上腕部で7.7%、前腕部では19.3%GM群が大きな値を示した。また、体幹部全体の体積は両群に差はみられないが、体幹の上部ではGM群が大きな値を示した。 以上のことから、GM群は特に上肢部及び体幹上部の発達が特徴的であることが示唆された。
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