固有受容性感覚器神経筋促通法(以下、PNF)による高齢者の顎運動機能向上を図るため、研究20年度は、運動効果の測定方法および少人数に応用しての運動効果を検討した。高齢者の生態的負担を軽減するため、咬合力については、口腔内に痛みを訴える高齢者も多く、検討した結果中止し、唾液分泌量についても、恥ずかしさを訴える女性が多く、唾液浸潤度検査法キソウエットによる口腔内の唾液浸潤度の測定に切り替えた。最初に行っていた、レクリエーションのリズム運動についても、発汗を考慮して後半に移動した。最初にPNF運動を指導して、二人組で交互に行い測定した。測定方法については、最初に手掌を、モイスチャーチャーチェカーよる精神的発汗度測定、次に唾液浸潤検査法による口腔内唾液浸潤度の測定を安静時と運動後に行った。対象は、認知に支障がない在宅の高齢者15名(男性4名、女性11名)、平均年齢75.3±6.5である。解析にはT検定用いた。 前後の発汗量の平均値に差はなかった。唾液浸潤度検査法キソウエットよる口腔内唾液浸潤度の前後のデータを比較は、p=.002で増加が認められたものの、PNFの効果なのか断言できない。今後もPNF運動前後のリラックス度の測定(精神的発汗度)と唾液浸潤検査法による度の測定を行い、口腔機能向上に対してPNFが貢献できるか検証していくことが必要である。
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