研究課題/領域番号 |
19650191
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
飯塚 健治 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (10344467)
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研究分担者 |
平藤 雅彦 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (20142987)
町田 拓目 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (90433424)
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キーワード | 骨格筋細胞 / 圧力負荷 / 機械的ストレス / MCT4 / メタボリックシンドローム / 血清 / 糖尿病モデルマウス / マーカー |
研究概要 |
平成19年度は主にMCT4蛋白を中心とする検討を行う予定であったが、蛋白質の変化の背景を遺伝子の観点から確認する必要性が生じた事から、平成20年度予定の遺伝子の関する検討も一部並行して行った。 まずポリクローナル抗体を用いてラットL6骨格筋細胞おけるMCT4蛋白の動向をimmunoblotで検討した結果、免疫沈降法や蛋白濃縮を行っていないサンプルにおいてもMCT4蛋白の検出が可能であった。そして、未分化のL6細胞と、分化が完了したL6細胞ではMCT4蛋白の量に違いが有る可能性を示す結果が得られた。さらに、骨格筋運動による筋内圧上昇を擬似的に再現した圧力負荷を3時間加えたL6細胞では、MCT4遺伝子の発現が抑制される可能性が示唆された(リアルタイムRT-PCR)。 一方、本研究はMCT4のバイオマーカーとしての可能性を検討する事を目的としていることから、病態に於けるMCT4の変化についても基礎的な検討を行った。まずメタボリックシンドローム環境に於ける高血糖を想定し、糖尿病モデルマウス(KK-ay)について検討を行った。対照として正常マウス(C57)の血清を採取し、MCT4の血清濃度を検討した結果、糖尿病モデルマウスではMCT4が高値を示し、特に血清インスリン濃度と正の相関を持つ可能性が示された。これらの検討は、サンプル中の蛋白を検討する際に用いられる最も簡易な方法であるimmunoblotを用いて検討した結果であるが、MCT4蛋白質の分子量に相当する部位にバンドが認められたことから、今後2種類の抗体を用いたサンドイッチ法を基本とするELISA法を用いた血清MCT4蛋白の定量へ向けた研究へ発展、応用させる価値があると考えられた。 今後は、グルコース濃度を増加させて糖尿病環境を再現した培養液を用いて、MCT4の動向をさらに詳細に検討する予定である。
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