• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

天然高分子「うるし」の繊維化と繊維構造物の創成

研究課題

研究課題/領域番号 19650196
研究機関信州大学

研究代表者

森川 英明  信州大学, 繊維学部, 教授 (10230103)

キーワードうるし / 天然高分子 / 繊維 / フィルム / 構造解析 / 重合プロセス
研究概要

平成19年度に行った漆の基本的物性と乾燥・重合過程の研究成果をふまえて,漆を異なる硬化方法でフィルム状に作製し、それぞれの硬化方法のプロセスの違いによりその構造・物性がどう変化するかについて評価を行なった。材料として四川省・瀬〆漆(ウルシオール60.0%,水分30.6%,ゴム質(含酵素)8.1%,含窒素物1.3%)を用い,常温硬化(常温酵素重合)と高温硬化(熱重合)の2パターンの重合方法により漆フィルムを硬化創製させることに成功した。両者の外観・形態的特徴として,常温硬化のものが柔軟性に優れている一方、高温硬化では脆いフィルムが得られた。これら異なる重合方法で作製した漆フィルムについて構造・物性の評価(X線回折,FT-IR)を行なった結果、構造・物性ともに差異確認でき,特に高温硬化では回折強度が低下していることが知られた。これはフィルム作製温度が高いほど硬化速度が速いために結晶が形成される前に硬化してしまうという原因が考えられる。動的粘弾測定の結果からは,常温硬化の方が高温硬化に比べ貯蔵弾性率が高い結果を得た。常温硬化のフィルムの方が高温硬化のものに比ベガラス転移点が低いことから,結晶領域の差から物性に影響がでていると思われる。漆の繊維化については,重合度のコントロールにより粘度を調整し,曵糸性を確保することにより可能になることが確認できた。紡糸工程および紡糸後の巻取プロセスに機構的な工夫が必要であるが,これらは現在も検討をすすめており,特許出願を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 漆フィルムの重合プロセスと構造の関係2008

    • 著者名/発表者名
      野川公平, 森川英明, 綿岡勲, 三浦幹彦, 岩佐昌征
    • 学会等名
      日本蚕糸学会中部支部研究発表会
    • 発表場所
      信州大学繊維学部(上田)
    • 年月日
      2008-11-29

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi