研究課題/領域番号 |
19650215
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
千原 猛 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 講師 (00217241)
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研究分担者 |
新保 寛 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 教授 (10142580)
伊藤 彰博 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (50273355)
東口 高志 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40198974)
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キーワード | GFO / 糞便水分量 / 盲腸内容物pH / ポリアミン |
研究概要 |
大腸癌が増加している現在、また、急速に進む高齢化社会の中で簡便な方法による発癌予防が必要である。大腸癌は腸内環境の悪化とともにゆっくりと進行していくものであり、腸内環境の改善が最も効果的な予防法であると言っても過言ではない。そこで、分担研究者の東口らが栄養サポートチームを立ち上げて早期の経口・経腸栄養療法に使用しているGFO(G:グルタミン、F:水溶性ファイバー、0:オリゴ糖)の腸管に対する著しい臨床効果に注目し、その摂取が発癌予防に有用な効果をもたらすか否かについて、実験動物を用いてその基礎的検討を行った。1.GFOの生体に及ぼす影響を検討した。基礎飼料に10%の割合でGFOを混合し、ラットに80日間投与を行った。投与後31日目では、糞便水分量が対照群(基礎飼料のみ投与)に対して有意に増加していた。また、61日目でも同様であった。更に、解剖時に採取した盲腸内容物のpHは、GFO群では有意に低値であった。また、生化学的検査(20項目)、血液学的検査(8項目)を実施したが、いずれも対照群との間に変化はみられず、体重変化もみられないことより、GFOの安全性も確認することができた。しかし、腸内細菌由来と考えられる糞便中ポリアミンには変化はみられなかった。 2.GFOの小腸粘膜に及ぼす影響を検討した。絶食下のラットにGFOを1.5g/kg体重用量で8時間毎に1日3回3日間経口投与を行い、同カロリーのグルコース(Glu)を同様に皮下投与した群とで小腸粘膜重量、絨毛高の比較を行った。小腸を幽門下より均等に3分割(上部、中部、下部)して検討を行った。対照群(飼料自由摂取)に対して、上部および中部小腸で粘膜重量、絨毛高の減少がみられたが、上部においての減少はGlu群よりもGFO群の方が小さく、投与条件により有意な粘膜保護作用がみられる可能性が示唆された。 現在、盲腸内容物有機酸分析、粘膜ポリアミン、粘膜酵素活性およびそのmRNA発現レベルでの検討を行っている。
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