研究概要 |
本研究の目的は,数学と実生活を結ぶ学校・地域・社会の連携モデルを開発し評価することを目的とした。具体的には、2つの分野(ア),(イ)において連携システムの構築を試みた。(ア)は,学校での数学の教科外活動システムの開発であり,諸外国におけるモデルケースを実地調査すること。モデル国として,オランダのMath-Alympiad並びにMath B-Dayのコンテストで日常事象の考察に数学を生かす問題を取り上げており、11月の予選会ならびに3月の本選に運営委員として参加した。そして、その組織,運営形態,実施方法等を実地調査し,それを踏まえて金沢大学附属高等学校で試験的な評価を行った。(イ)は,地域・社会との連携システムの構築であり,2つの下位課題(i),(ii)にとりくんだ。(i)は,金沢大学教育学部の地域貢献事業の一つとして,金沢大学のサテライト施設を会場として主催する校外学習の機会である「算数・数学チャレンジクラブ」のカリキュラム開発である。その際に,カリキュラムを日常事象の考察に算数・数学を生かす内容で編成した。特に,夏と秋には特別講師を招き,数学と日常生活との結び付きについて講演会ならびにワークショップを実施した。(ii)は,算数・数学の展示ブースの設置に向け,諸外国の「数学博物館」や,わが国の「ハンズオン・マス研究会」等の調査研究を行った。前者に関しては,韓国釜山市にある公立中学校の数学博物館の実地調査を行った。(ア)に関する研究成果は,日本数科教育学会雑誌「数学教育」や,「教育デザイン国際会議」(ISDDE)において発表を行った。
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