研究概要 |
キク科植物の1種ホソバノセイタカギクからDNAを抽出しビオチンで標識したものをプローブとして,(ハマギク×ホソバノセイタカギク)F1植物の染色体標本に使用して染色体ペインティング(=ゲノミック・イン・シチュ・ハイブリダイゼーション,GISH)実験を行い,FITCによって黄色に蛍光染色された9個のホソバノセイタカギク染色体とPIによって赤色に染色された9個のハマギク染色体を,それぞれ染め分けた染色体ペインティング写真を得た。さらに,これらの写真を用いてキク科植物雑種のペインティング核型も作成した。また,九条ネギから抽出したDNAをプローブとして,ワケギの染色体に染色体ペインティング実験を数回行い,ネギ由来の8個の染色体を黄色に,タマネギ由来の8個の染色体を赤色にそれぞれ染め分けた蛍光顕微鏡写真も撮影できたので,これらの写真を用いたワケギのペインティング核型も作成した。キク科という双子葉植物とユリ科ネギ属のワケギという単子葉植物のそれぞれの染色体ペインティング写真に基づいたペインティング核型=GISH核型の両方が作成できたので,これらの写真とGISH核型とをゲノム概念理解のためのカラー教材として用いる予定である。これらの植物の体細胞分裂の染色体ペインティング教材は,今後,中学校,高等学校の研究授業の教材として実際に使用してから,受講生たちのアンケート調査の結果党に基づいて,より良い教材になるように改善する予定である。
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