平成19年度には、主にペンタブレットで得られる文字筆記に関するデータ(筆圧、ペンの仰角等)を収集・分析し、これらのデータで個人認証を行う場合の手法の検討を行ったが、より精度を高めるためにはいくつかのデータの組み合わせとその特徴量の算出が必要であると考えられたことから、平成20年度は、(1)ペーパーベースでの個人認証と同様、文字の形(署名認証)の一致度を分析、(2)(1)のための手法の検討(3)(2)の手法と文字筆記に関するデータを組み合わせた手法の提案(筆圧局所円弧パターン法の提案)を行った。文字入力としての認証では十分な精度が得られたが、実際に試験場面で利用したところ、精度が下がった。そこで、最終年度である平成21年度は、eテストという実践場面での適用を目指し、以下のような方法を実施した。 (1)ペンタブレットで得られたデータに対して、署名認証に用いられるDPマッチングの手法を応用した。そのまま適用すると十分な精度が得られないため、画数ごとに重みをつける手法を提案した。 (2)(1)の手法で、重みのつけ方を各種検討した。 (3)キーボードによるキーストローク認証についても検討し、モデルを提案した。 得られた成果は、論文として発表し、さらに国内の学会、研究会においても発表した。
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