研究概要 |
本研究の目的は,携帯電話の英語学習への積極的な利用を目的とした,位置情報を利用した英語文,英語問題の自動生成のための位置情報英語コーパスを作成することである.現在,英語学習を対象に「位置情報に依存した英語問題の自動生成・配信」に関する方法論と技術を検討している。つまり,携帯を所有している学習者の位置情報に依存した英語文,英語問題を自動生成し,最適な出題形式と出題内容で,最適なタイミングで配信するという機能の実現である.最適化のゴールは学習者の学習率の向上である.これを実現するためには次のような技術的課題を設定して研究を推進している. (1)位置情報の取得と地図情報とのマッピング. (2)マッピング情報に関連する英語文,英語問題生成のためのリソースとの対応付け.(3)学習履歴(位置情報,時間情報,知識レベルなど)に基づいた英語問題選定方法. 本研究では,位置情報を考慮した英語文,英語問題生成のための,「位置情報英語コーパス」を作成する,平成19年度は特に(1)(2)を中心に研究を推進した,具体的には位置情報英語コーパス(以下,位置コーパスと呼ぶ)の作成を行い,その妥当性,有効性,実効性の検証を試みた.位置コーパスの規模としては,英単語の粒度で3,000語程度(中学,高校の学習要領をカバー可能な範囲),連語の粒度で100,000語程度のコーパスの基盤形成行った.特に,屋外での実際の行動時に行われる発話のプロコルを収集することによって行った.ここでは,複数の被験者に行動目的,行動範囲,行動手段を明確に設定し,汎用性の高い形式でのデータの収集を行った.ただし,量的にも十分なデータ収集が実現できなかったため平成20年度も継続して研究を推進する.
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