研究概要 |
本研究の目的 本研究の背景として、博士論文(お茶の水女子大学大学院,2006,駒谷)で、幼児期と児童期それぞれの時期に適応したメディアリテラシー(以下MLと略す)教育を日本で初めて開発し、「ML教育と子どもの生態学的環境モデル」を構築した。更なる研究の萌芽を育成する視点から、幼児教育と小学校教育の場でのML教育の普及を期待している。その方略として、教育学的視点から幼稚園年長児から小学校1年生までを対象に、接続期を意識したML教育の幼小連携カリキュラムを開発し、実践するのが目的である。 本年度の計画 本年度は、次の2項目を計画し実践した。平成19年度は、米国でのML教育のカリキュラムとレッスンスタディの技法を現場で研修し、本研究のカリキュラム試案をまとめた。平成20年度は、カリキュラムの一環として【接続期前期】プロジェクトを実践した。 (1)プロジェクト開発(決定案段階) 4月から9月まで ・平成19年度に作成したプロジェクト試案と協力園の教育課程を照合し、年長児対象のプロジェクトの決定案を先生方と協力し完成した。 ・プロジェクトの効果を測定するために、事前事後アンケートとインタビューの項目を吟味した。 (2)プロジェクト実践(玉川学園幼稚部年長児クラスでの実践)10月から3月まで ・【接続期前期】プロジェクト「メディアであそぼ!」(遊びのCMを作ろう!)を実践した。グループごとに自分たちの好きな遊びについて15秒CMにまとめ、テレビ枠に入って発表した。 ・事前事後アンケートを実施し、効果を量的分析した。実践の様子はデジタルビデオカメラで記録し、子どもたちや教師のインタビューはICレコーダーで収録し、テープ起こしをして質的分析した。子どもたちのMLの気づきが表出し、プロジェクトの効果が得られた。 実践の模様は、テレビ朝日がドキュメンタリー形式で記録し番組で紹介された。
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