パルスレーザダイオード(LD)を用いた外部励起型Nd:YAGレーザを用いて、高出力レイリー/ナトリウムライダー用光源の製作を目的として研究を行ってきた。平成21年度の成果を以下に示す。 (1)LD光源をレーザ共振器の外部に設置し、光ファイバーでNd:YAG結晶を励起するエンドポンプタイプの励起を実現した。波長808nmのパルスLDによるレーザ結晶励起により、励起エネルギーをレーザ光として効率的にとりだす事が可能となり、水冷却系を全く用いず空冷のレーザでライダーを構築する事が可能となった。これにより、1kHzの高繰り返し高出力レーザが可能となった。 (2)LDにDC電流を流しながらパルス発光させる技術で、LD光源(すなわちレーザ)の長寿命化が実現でき、高繰り返しによる高出力レーザを実現しながら長寿命であるレーザが実現した。 (3)Qスイッチ発振によりパルス幅が40-60nsecの短パルスレーザ発振が実現できた。最適なレーザ共振器構成を実現したためレーザビーム品質がよい。構成したNd:YAGレーザからの1064/1319nmレーザ出力を非線形結晶に入射させ、和周波による589nmの生成を行った。589nmへの変換効率は高く、従来装置以上の出力である3W@589nmを得る事ができた。 (4)インジェクションシーディングテクニックにより、パルスレーザの波長を1/1000pm単位で制御が可能となり、ナトリウム層の温度観測が可能となった。これを用いて夜間の晴天時にナトリウム層観測で、温度計測ができる事が確認できた。
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