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2008 年度 実績報告書

沿岸域環境モニタリングのための生物情報解読手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19651007
研究機関島根大学

研究代表者

山口 啓子  島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (80322220)

研究分担者 瀬戸 浩二  島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (60252897)
キーワード汽水域 / 二枚貝 / 貝殻構造 / ヤマトシジミ / サルボウガイ / 貧酸素 / 硫化水素 / 環境変化
研究概要

1、昨年度に行ったヤマトシジミの貧酸素・硫化水素耐性実験で得られた貝殻試料にみられる成長線の電子顕微鏡観察
高濃度の硫化水素に72時間以上さらされた個体の貝殻には明瞭な成長線が形成されていたが、当該の部分には厚い有機物層が形成されており、殻体の溶解が著しかったことがわかった。
2、ヤマトシジミの潜砂実験と体腔液の有機酸測定
ヤマトシジミが冬季に砂に深く潜砂した場合に、体内が変化しているかどうかを確認するため、深く潜砂した個体と潜砂しなかった個体について、体腔液を採取し、pHと有機酸濃度を分析した。pHには明瞭な相違は見られなかったが、深く潜砂した個体で、ややコハク酸濃度が高く、閉殻によるストレスがあったことが判定出来た。
3、サルボウガイの垂下飼育実験
昨年度備品として作成し、中海本庄水域に設置した試験筏および中海湖心・北部貯木場の3点において、水質計で水質をモニタリングしながらサルボウガイを飼育した。底層では夏期に貧酸素化するため、底層に垂下した個体について、本庄水域では全滅したが、中海湖心・貯木場では成長が鈍化する傾向がみられた。塩分躍層でも、わずかながら成長が鈍化した。
これらの実験により、貧酸素・塩分変化のストレス程度の異なる状態で成長した貝殻試料を得ることができた。(次年度、殻体構造の分析予定)

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 絶滅危惧種ウネナシトマヤガイTrapezium liratumの汽水湖尾駮沼における空間分布と成長過程2009

    • 著者名/発表者名
      近藤邦男, 山口啓子, 他3名
    • 雑誌名

      陸水学雑誌 69

      ページ: 237-245

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Eutrophication-induced changes in Lake Nakaumi, southwest Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Katsuki, K., Yamaguchi, K., 他8名
    • 雑誌名

      Journal of Paleolimnology 40

      ページ: 1115-1125

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヤマトシジミへの給餌と軟体部増加に関する実験2008

    • 著者名/発表者名
      山口啓子, 幸内綾子, 藤岡克己
    • 雑誌名

      LAGUNA(汽水域研究) 15

      ページ: 49-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中海湖心部における湖底の水中映像(その3)貧酸素環境におけるバクテリアマットの回復状況2008

    • 著者名/発表者名
      野村律夫, 瀬戸浩二
    • 雑誌名

      LAGUNA(汽水域研究) 15

      ページ: 91-94

  • [学会発表] Anthropogenic changes and ecosystem monitoring in the Honjo Area of Nakaumi Lagoon, Southwest Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Koji Seto
    • 学会等名
      the AGU 2008 Fall Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2008-12-15
  • [学会発表] 中海本庄水域における人為的環境変化に対する生態系モニタリング-西部承水路堤撤去による環境変化の評価-2008

    • 著者名/発表者名
      瀬戸浩二
    • 学会等名
      日本陸水学会第73回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-10-11
  • [学会発表] 飯梨川の洪水イベントと最近の中海の環境変化2008

    • 著者名/発表者名
      瀬戸浩二
    • 学会等名
      日本地質学会第115年学術大会
    • 発表場所
      秋田大学
    • 年月日
      2008-09-22
  • [学会発表] 干拓堤防建設から25年を経過した水域の環境変化〜中海・本庄水域の現状2008

    • 著者名/発表者名
      山口啓子, 倉田健悟, 瀬戸浩二
    • 学会等名
      日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会
    • 発表場所
      熊本県立大学
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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