研究概要 |
昨年度はヨシ刈り参加者への調査などをもとに、ポータルサイト「佐鳴湖グループ」を構築し、ボランティア募集情報を掲載するようにした。今年度はそれを踏まえて、主に3つの研究を行った。佐鳴湖グループの検証と機能の改善、ヨシ刈り参加者への追加調査、ヨシ刈り以外の環境活動への参加動機の調査分析の3つである。佐鳴湖グループの機能検証では、このシステムのボランティア誘導効果が予想を下回るものとなった。そこで新たな機能を追加することにした。昨年度の調査で、ヨシ刈りに関心を持つ人が水上スポーツや山歩きに関心を持つことはわかっていたので、WWWから、佐鳴湖・浜名湖・アウトドアスポーツに関連する情報を、RSS等を用いて自動的に獲得する機能を加え、ヨシ刈り参加者の興味をひく情報が常に更新されるような機能を付与した。ふたつ目のヨシ刈り参加者の追加調査では、参加を取り止める交通費などを質問することで、ボランティア活動参加時のコスト・ベネフィットの感覚を検証した。その結果、ボランティア参加のコスト・ベネフィットは、参加開始時には有意であるが、その値は極めて安いこと、また活動継続には、コスト・ベネフィットは関係しないことを見出した。また参加機会の多様化の効果を見るための予備的調査として、池袋駅周辺のボランティア活動の参加者を対象に質問紙調査を実施した。三つ目のヨシ刈り以外の環境活動への調査として、広島県下での野鳥保護活動を支援することを目的としたエコツアーへの参加意向やその評価についての調査を行った。労働ではなく,資金的な支援を自らが保護団体の企画するイベントへの参加によって行う形態に関する情報を集め,ヨシ刈り活動への参加行動と対比した。
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