研究課題/領域番号 |
19651023
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
朝長 万左男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
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研究分担者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00196809)
長井 一浩 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30304942)
岩永 正子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究院, 助教 (00372772)
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キーワード | 放射線被ばく / 幹細胞 / 放射線誘発遅延性ゲノム不安定状態 / 発がん機構 |
研究概要 |
1.被ばく者試料サンプリング 計画書に策定した手順に則り、原子爆弾被ばく者検診センターおよび長崎大学病院血液内科受診のプロセスから、現時点までに12例の原子爆弾被ばく者の骨髄試料をサンプリングしている。今年度は、サンプリングを効率よく進めるために、関連協力医療機関の血液内科においても検体採取を行うシステムを構築した。更に、被ばく者コホートを基盤とした組織バンキング・システムの今年度稼働開始に伴い、後述する骨髄血以外のサンプリングを開始することによる解析対象サンプル数の増加およびバンキング・システムとリンクした臨床情報等豊富なデータベースを用いた分析を可能とする体制を確立した。 2.幹細胞のゲノム不安定性解析 昨年度に引き続き、CD34、ABCG2、CD133およびCD271等各種マーカー蛋白の発現を指標とした幹細胞画分におけるリン酸化ヒストンH2AXフォーカス形成の免疫学的in situ検出法を用いて、データを集積中である。 更に今年度は、本研究で立てた「仮説」を検証する上で最重要であるところのクローンレベルでの解析を行うべく、単一幹細胞を分取後にex vivo増幅を行ったうえで上記ゲノム不安定性の解析に供する系を確立しており、既に対象検体に対してデータの蓄積を重ねている。この方法では、骨髄検体以外にも末梢血中のCD34陽性細胞等の稀少細胞であっても分取と増幅が可能であることから、現在多種のサンプル中の幹細胞集団を対象にしたクローン解析を展開している。
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