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2007 年度 実績報告書

遺伝子組換えマウスを用いた喫煙および喫煙環境の総合的・継続的リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 19651024
研究機関山梨大学

研究代表者

北村 正敬  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90333062)

キーワード喫煙 / 芳香族炭化水素受容体 / トランスジェニックマウス / 環境科学 / バイオセンサー / ダイオキシン / 多環芳香族炭化水素 / 病理学
研究概要

タバコ煙の多彩な毒性の背景にあるメカニズムは未だ十分に解明されておらず、禁煙以外に有用な予防法/治療法が存在ない。また受動喫煙に関し、実際にどの程度の喫煙環境にどのくらいの期間曝された場合に人体に有害な影響が及ぶのか、未だ明らかにされていない。本研究は、タバコ煙によるダイオキシン受容体(AhR)の高度活性化という我々が発見した事実をもとに、遺伝子工学的に作製したトランスジェニックセンサーマウス(DRESSAマウス)およびAhR-KOマウスを用い、喫煙関連疾患におけるAhRの重要性を明らかにするとともに、センサーマウスによる喫煙環境の直接的、総合的かつ継続的なモニタリングとリスク評価を行うことを目的とする。本年度はまず、DRESSAマウスによる実験的喫煙環境のモニタリング、およびそのリスク評価を中心に検討を行った。具体的にはDRESSAマウスを60x40x35cmの機密なプラスチックケースに入れ、毎分1Lの流量で新鮮な空気を供給し換気を維持するシステムを構築した。次にこのケースに30分毎に6回、250mlのタバコ主流煙を注入し、内部の煙の粒子濃度を継続的にモニタリングした。計3時間にわたるタバコ煙への曝露後、DRESSAマウスは21時間通常の飼育条件に置いた。また定期的に尾静脈から採血を行い、AhR活性化のマーカーである分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)の活性を経時的に測定した。この操作は4日間にわたり繰り返した。その結果、低濃度のタバコ煙への受動的曝露によっても、生体内におけるAhRの有意な活性化が生じる事が明らかになった。この事実は、能動喫煙のみならず受動喫煙においてもAhRの活性化を介したメカニズムが喫煙関連疾患の発症に寄与する可能性を示唆し、喫煙科学/医学の領野に新たな光を投げかけるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Direct, continuous monitoring of air pollution by transgenic sensor mice responsive to halogenated and polycyclic aromatic hydrocarbons.2008

    • 著者名/発表者名
      Kasai A, Hiramatsu N, Hayakawa K, Yao J, and Kitamura M
    • 雑誌名

      Environ Health Perspect 116

      ページ: 349-354

    • 査読あり
  • [雑誌論文] タバコ煙によるダイオキシン受容体の活性化-加齢性喫煙関連疾患におけるmissing link2007

    • 著者名/発表者名
      北村正敬
    • 雑誌名

      基礎老化研究 31

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] タバコの毒性とダイオキシン受容体2007

    • 著者名/発表者名
      北村正敬、河西あゆみ
    • 雑誌名

      治療 89

      ページ: 574-578

  • [学会発表] Direct, continuous monitoring of air pollution by transgenic sensor mice responsive to halogenated and polycyclic aromatic hydrocarbons.2007

    • 著者名/発表者名
      Kasai A, Hiramatsu N, Hayakawa K, Okamura M, Shimada T, Yao J, Kitamura M
    • 学会等名
      Dioxin 2007
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/molecular/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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