• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

自然環境水中のリン回収・肥料化のためのタンニン/無機複合体吸着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19651030
研究機関東京工業大学

研究代表者

中野 義夫  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (30092563)

研究分担者 渡辺 隆行  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (40191770)
清田 佳美  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 連携准教授 (60216504)
キーワードタンニン / 3価鉄イオン / リン回収 / 肥料 / タンニン / 無機複合体吸着剤
研究概要

自然環境中に存在しているリンを低コストで、再資源化する手段の一つとして、安価な天然由来のタンニン分子をゲル化した三次元網目構造を有するタンニンゲル担体に鉄を導入したタンニン/無機複合体(FeO_xTG)を創製し、鉄の形態評価およびリン吸着能試験を行った。
タンニン/鉄複合体(FeO_xTG)中の鉄の形態評価:鉄が71.5mg-Fe/g-gel導入されたFeO_xTG中の鉄の形態をメスバウアーおよびX線吸収微細構造解析(XAFS)を用いて評価した。その結果、鉄は3価の鉄としてタンニンゲルのB環にあるオルト位フェノール性水酸基の部位にモノ錯体として導入されていることを明らかにした。ついで、XAFSの結果から、鉄の化学形態はα-FeOOH 類似の水酸化物形態で存在することを示した。
リン吸着能試験:FeO_xTG単位表面積当りのリン吸着容量は51.8〜97.2mg/m^2であった。この値は現在、水処理用リン吸着剤(各種鉄酸化物)の容量に比べて600〜1130倍と極めて大きいことが明らかとなった。FeO_xTGのリン酸イオンの吸着は、各種塩(Na_2SO_4, NaNO_3,NaCL)が、解離した共存イオン下においても吸着量が減少しないことから、この現象は、ゲル/液界面において、カチオン交換により溶離した鉄イオンが、ゲルネットワーク近傍でリン酸イオンと結合し、ゲルを構成している分子鎖上に吸着・析出する機構に基づくと推察される。
本研究で開発したFeO_xTGは、水処理用の吸着剤としての利用はもとより、自然環境中のリンの循環過程において、余剰のリンを回収し、リン肥料として再資源化することが可能であることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Thermo-responsitive of the polyacrylate-adsorbed Metal Cation and its Hydration Structure2009

    • 著者名/発表者名
      Y. . Seida, T. Imai, K. Murata, Y. Nakano
    • 雑誌名

      Adosorption Science & Technology 26

      ページ: 423-432

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthesis of Polyelectrolyte-Iron Complex Hydrogel for the Adsorbent of Phosphate2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Seida, Y. Oinuma, Y. Nakano
    • 学会等名
      Zing, Polymer Conference
    • 発表場所
      Mexico
    • 年月日
      2009-02-05
  • [学会発表] タンニン/鉄複合吸着剤によるリン吸着特性の評価2008

    • 著者名/発表者名
      生沼安美, 尾形剛志, 森貞真太郎, 清田佳美, 中野義夫
    • 学会等名
      第22回日本吸着学会研究発表会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2008-10-24
  • [学会発表] 環境水中からのリン資源回収に向けたタンニン/鉄複合吸着剤の開発2008

    • 著者名/発表者名
      生沼安美, 尾形剛志, 森貞真太郎, 清田佳美, 中野義夫
    • 学会等名
      分離技術会年会2008
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2008-06-07

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi