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2008 年度 実績報告書

環境負荷低減型発電用小型水車の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19651033
研究機関信州大学

研究代表者

池田 敏彦  信州大学, 工学部, 教授 (60021010)

研究分担者 飯尾 昭一郎  信州大学, 工学部, 助教 (80377647)
キーワード水力発電 / 環境負荷低減型水車 / サボニウス水車 / 出力特性 / 揺動流れ / 流れの可視化 / 流体機械
研究概要

本研究の目的は,土木工事が不要で水路に置くだけで発電する環境融和型サボニウス水車の性能を向上することである.サボニウスロータは,半円弧状ブレード2枚から成る単純な構造であり,メンテナンス性,経済性,耐久性に優れる一方で,出力係数が低いことが実用化の妨げとなっていた.昨年度までの研究において,ロータ直径が水深の1/3程度の場合,ロータの設置高さと主流に対するロータの回転方向が出力特性に影響することが明らかとなり,最適設置条件において0.26の出力係数を得た.更なる性能向上を達成するために,位相つきロータについて検討した.ロータ中央でブレードに90°の位相差を設けた位相有りロータを設計・製作し,出力特性を評価した.実験は回流水槽にて実施した.位相差の影響を考察するために,ロータ内外部の流れの可視化も実施した.得られた具体的成果を以下に示す.
1) 位相無しロータと比較して位相有りロータでは,出力係数が高く,最大で14%増加することがわかった.また,ブレードに位相差を設けることで,ロータ姿勢角度による出力変動が大幅に抑制された.
2) 位相有りロータの中央断面では,ロータの軸方向に回転と同期して揺動する流れがあることが可視化計測から明らかになった.ロータ上流側から進みブレード凹面側へ流れ込む揺動流れはトルクの増大に寄与し,ロータ下流側へ抜ける揺動流れは戻りブレード凹面側の圧力回復に寄与することがわかった.この揺動流れが,位相有りロータで出力係数が増大する主要因である.
3) ロータ各段のアスペクト比が減少すると出力の低下を招くが,ブレードに位相差を設けたことによる出力増大効果の方が大きいために,総合的には出力効率が増大したと考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Performance of Savonius Rotor for Environmentally Friendly Hydraulic Turbine2008

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi NAKAJIMA, Shouichiro IIO, Toshihiko IKEDA
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Science and Technology 3(3)

      ページ: 420-429

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Performance of Double-Step Savonius Rotor for Environmentally Friendly Hydraulic Turbine2008

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi NAKAJIMA, Shouichirono, IIO, Toshihiko IKEDA
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Science and Technology 3(3)

      ページ: 410-419

    • 査読あり
  • [学会発表] 滝用水車の開発(開放型貫流式タービンの開発)2009

    • 著者名/発表者名
      竜野健二, 飯尾昭一郎, 池田敏彦
    • 学会等名
      第46期日本機械学会北陸信越支部総会・講演会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2009-03-07
  • [備考]

    • URL

      http://www.kankyo.shinshu-u.ac.jp/~kedalab/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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