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2007 年度 実績報告書

透過電子顕微鏡による次世代3次元可視化技術の開発-動的3Dトモグラフィの実現-

研究課題

研究課題/領域番号 19651043
研究機関東北大学

研究代表者

今野 豊彦  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90260447)

キーワードナノ構造物性 / 透過電子顕微鏡 / トモグラフィー / STEM / 時効析出合金
研究概要

透過電子顕微鏡三次元(TEM-3D)トモグラフィはナノレベルでの金属組織形成に関する新たな情報を提供してきており、今後、この手法を一般的なものとして確立し、特にこれまで静的な試料に対して明らかにされてきた三次元情報を動的な観察まで拡張することが必要である。本研究は動的3Dトモグラフィの実現を目差すものであり、そのためにはいくつかのステップを踏む必要があるが、本年度は基本技術の確立に重点を置き、研究を行った。
電顕技術という観点からは一軸ホルダーを用いて+/-70度まで試料を傾斜し、データを自動取得する技術を確立する一方、当初予定していた通常のTEM像だけではなくSTEM像の取り込みも行った。
観察対象という観点からは今年度は時効析出合金に主眼をおき、析出物のミクロンレベルの分散状況を三次元的に調べた。具体的にはCu-Ag系、Mg-Nd系などがあげられる。Cu-Ag系では粒界からの不均一析出の状況を本方法で明らかにすることを試みた。データの取得は問題なくできたが、コントラストが弱く再構築に検討の余地があることが判明した。これは次年度への継続課題として検討する。一方、Mg-Nd系では粒界に単純偏析していると思われたNd元素が、実は一種の構造をもっていることを明らかにした。これはトモグラフィを適用することによってはじめて明らかとなったことである。さらにこの手法を高温耐熱合金であるCo-Ni系に適用し、板状析出物の分布状態を明らかにし、高強度化の原因追求の一助とするとともに材料設計への指針とした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] TEM像の解釈2008

    • 著者名/発表者名
      今野豊彦
    • 雑誌名

      顕微鏡 43

      ページ: 50-59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transmission Electron Microscopy Observations on Cu-Mg Alloy systems2007

    • 著者名/発表者名
      K. Nishikawa, S. Semboshi, T.J. Konno
    • 雑誌名

      Solid State Phenomena 127

      ページ: 103-108

    • 査読あり
  • [学会発表] Cu-Ni基超合金の800℃時効熱処理後の組織および構造の評価2008

    • 著者名/発表者名
      只野智史、松本洋明、今野豊彦、千葉晶彦
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      武蔵工業大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] Cu-Ti-Al合金の時効による特性変化と組織観察2007

    • 著者名/発表者名
      今野豊彦、千星聡、西尾理実
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] Recent Progress on the TEM Studies on the Precipitation Behavior of Age-Hardened Alloys2007

    • 著者名/発表者名
      T.J. Konno
    • 学会等名
      XII International Conference on Intergranular and Interphase Boundaries in Materials
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      2007-07-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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