研究概要 |
本研究では, UV-LEDアレイにより発生させた紫外線をガラス基板を透過させてかつ回転動作を伴った露光を行うことで,曲面構造を作製する新たな曲面形成法を提案している。本年度は新規に製作した高出力な表面実装型LEDを高密度に配列したUV-LEDアレイを用いて従来に比べ露光時間を14分から7分に短縮して直径220μm〜550μm,高さ100μm〜280μmの曲面形状を作製した。 得られたレジスト構造体の形状をシリコン樹脂の一種であるPDMSを用いて転写を行った。このPDMS型をレンズ鋳型としてインプリント用光学材料を塗布したガラス基板に押し付け,この状態のままPDMSを透過させて紫外線を照射し成型することで,ガラス基板上ヘマイクロレンズを試作した。この手法により,レジストよりも光学特性の優れたマイクロレンズがシリコンウェハ上にも製作可能であることを実証した。 UV-LEDアレイを用いた本手法ではマスク開口に斜め方向からも光が入射するため広がった光が重なり,隣り合うレジスト構造体同士がつながってしまう場合がある。これを利用して,新たな試みとしてマスク設計時に開口間隔を小さくして条件を適切に設定することで,レンズ間隔の無いマイクロレンズアレイを製作する事ができた。 これらのマイクロレンズに関して光線追跡シミュレーションと実測により集光特性評価を行い,直径240μmのレンズを150μm厚のガラス基板上に形成したデバイスを用いて実測で直径13μm程度に集光可能であることを確認した。以上により本手法がマイクロレンズデバイスの作製法として利用可能であることを示した。
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