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2008 年度 実績報告書

電子地盤図による地域地盤特性とフラジリティ評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19651078
研究機関京都大学

研究代表者

三村 衛  京都大学, 防災研究所, 准教授 (00166109)

キーワード地盤情報データベース / ボーリング / 電子地盤図 / 沖積層 / 代表的浅層地盤モデル / 土質分類 / フラジリティ / 地盤沈下
研究概要

本年度は,既存の地盤情報データベースから,250m四方のメッシュの代表的浅層地盤モデル(Representative Soil Profile Model; RSPM)を構築する手法を確立した。具体的には,大阪市域の中心部を取り上げ,上町台地を中心として比較的均質な堆積層を有する西大阪と,上町断層周辺の地層急変部,汽水性の鋭敏粘土が堆積している東大阪という異なる堆積環境と地層構成を有するエリアを網羅するメッシュ群をピックアップして,より客観的なモデル化手法を構築することを試みた。西大阪に代表される比較的一様堆積層地盤では,メッシュ内のボーリング情報を単純に平均化するA法が簡単かつ個人的誤差がなくスピーディにモデル化できる。これに対して,地層急変部や谷地形や溺れ谷のような局部的特徴を有するような地盤では,単純平均化によって地盤の特徴が埋没してしまい,専門的知見を基づいて恣意的にボーリング情報を選択するC法によるモデル化が必要であることがわかった。またメッシュ内にボーリングのない空白メッシュに対しては,微地形区分図の援用,C法による周辺地盤の特徴を勘案した恣意的なモデル化が必要となり,機械的な作業では高品質のRSPMは構築できないことが明らかとなった。次に,地盤のフラジリティの評価について,地盤情報がアナログで蓄積されている地方自治体をサポートするプログラムを構築した。具体的には三重県鳥羽市の大明地区を取り上げ,リアス式海岸で複雑なアンジュレーションを持つ基盤上に40mに達する粘土が堆積している地盤上に埋立によって造成された地盤が大きく不等沈下している地区のアセスメントを実施した。三次元レーザー測量による標高のディジタル化,アナログ地盤情報のデータベース化,データベースに基づく基盤構造の三次元モデルの構築,対象地域全面における圧密沈下解析,チェックボーリングによる実沈下量の把握と解析結果の妥当性の検証という手順をふみ,沈下の原因と将来予測を行うことによって,当該地盤の補修のあり方,防災上の問題点を抽出し,今後の方向付けを行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 表層地盤の電子地盤図作成について2008

    • 著者名/発表者名
      三村衛, 山本浩司, 安田進, 藤堂博明
    • 雑誌名

      統合化地下構造データベースの構築-データペースの連携で築く公共の地盤情報-シンポジウム講演集

      ページ: 31-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of Representative Soil Profile Model Based on Geoinformatic Database2008

    • 著者名/発表者名
      Mimura, M., Yamamoto, K.
    • 雑誌名

      Proc. International Symposium and Exhhibition on Geoinformation 2008 (CD-R)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高松塚古墳壁画の被災要因の調査と石室解体に向けた工学的貢献2008

    • 著者名/発表者名
      三村衛, 吉村貢
    • 雑誌名

      自然災害科学 27巻3号

      ページ: 307-317

    • 査読あり
  • [学会発表] 表層地盤のデータベース連携に関する研究-全国電子地盤図の構築に向けて-2008

    • 著者名/発表者名
      藤堂博明, 安田進, 三村衛, 村上哲, 大井昌弘, 山本浩司
    • 学会等名
      第43回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2008-07-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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