研究代表者(矢野健太郎)および研究分担者(清水顕史、山根京子)による研究体制で研究を行った。昨年度に構築した解析手法に基づき、解析結果を視覚化する方法を研究代表者(矢野健太郎)および研究分担者(清水顕史、山根京子)が協力して開発した。ここでは、特に、コンピューター・マウスやキーボードの操作によって、コンピューター・モニター上で三次元プロット図の拡大、縮小、平行移動や回転を可能とした。本年度は、さらに、統計学の専門知識をもつ矢野および清水が独立して、対応分析を用いたEST情報からの遺伝子発現パターン解析手法の開発などを行った。この個別の作業により、両者の結果の一致性を検証し、開発手法の頑健性の向上を図ることができた。そして、例題データセットを用いた解析と手法の有用性の評価を行った。 また、昨年度に収集した公開データベースからのヒトや植物のEST情報から、植物遺伝の専門知識をもつ山根が、cDNAの由来や遺伝子機能に関する詳細情報の収集と整理を実施した。それらのデータに対して、矢野がESTのアセンブル解析を行い、発現遺伝子の配列と生物学的機能を推定した。次いで、矢野、清水、山根により、開発した手法を上記の実データに対して適用し、開発手法を評価・修正することによって、大規模EST情報からの有用遺伝子の探索手法を確立した。さらに、簡便な操作で解析と視覚化を可能とするJava言語に基づくソフトウェア開発を行った。
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