研究課題
本年度は本研究課題で達成された、植物ホルモンオーキシン分解経路を出芽酵母および動物培養細胞に移植することで、特定の目的タンパク質を分解により発現コントロールする新たな手法(auxin inducible degron ; AID)を論文公表するために多くの時間を割いた。その結果、投稿した論文はNature Methods誌12月号にArticleとして掲載された。使用した出芽酵母およびプラスミドはバイオリソースセンターNBRPに寄付したが、論文公表以後非常に多く研究者からサンプルリクエストを頂いている。また論文公表に伴い、日経産業新聞11/16朝刊やNature Chemical Biology誌1月号でもニュースとして取り上げられた。また、本手法に関連する特許を行ったが、複数の海外の企業から共同開発のオファーを頂いており、現在今後の開発方針を検討中である。また基礎的な研究分野においては、AID法を用いて出芽酵母において複数の複製因子のコンディショナル変異株を作成した。それらを用いて複製因子Mcm10の機能解析を進めている。現在までMcm10はCDKとCdc45に依存するかたちで、複製開始点に呼び込まれることが明らかになった。この結果はこれまで考えられていたMcm10の挙動と異なっており、今後の研究によりMcm10の詳細な複製反応における機能が明らかにできるものと期待している。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Nature Methods 6
ページ: 917-922
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/newinfo/info50.html