研究課題/領域番号 |
19651104
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 展 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70126085)
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研究分担者 |
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
浜元 聡子 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (80378968)
山本 博之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80334308)
西 芳実 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30431779)
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キーワード | 防災情報拠点 / 防災 / 減災 / 屋敷林 / インドネシア / ジョグジャカルタ / 地域研究 / コミットメント |
研究概要 |
本研究の目的は、地域研究者が積極的に被災地と関わる-コミットする-ための新しい接近法を見出すことである。東南アジア地域社会に暮らす人々の安全と生活環境の向上のために寄与貢献する地域研究のあり方を模索する試みである。この目的のため、2006年5月27日に発生した中部ジャワ地震の中心的な被災地であるインドネシア共和国ジョグジャカルタ特別州バントゥル県ゲシアン第三集落において、自然環境の復元とともにある社会的復興を目指した調査研究活動がおこなわれた。ジャワの村落部における典型的な景観であるプカランガン(屋敷林、ホームガーデン)は、震災後、瓦礫を置くため、あるいは仮設住宅を建てるための空間を確保するため、一部が伐採された。アチェを襲った巨大災害の経験があるとはいえ、インドネシアでは全国規模での日常的な自然災害対策はまだ十分に普及していない。地域の自然環境もまた災害からの復興の対象であることを村人に伝え、プカランガンを災害時の集合地点と設定するための活動を、一年をかけて取り組んできた。空き地であったプカランガンを借り受け、ここに防災情報拠点を開設した。航空写真や地形図などを備えた防災情報拠点では、地域情報を住民と共有することを目的とした。9月には、京都大学工学部学生サークル「京大防災教育の会」とともに、防災教育の普及活動をおこなった。3月には、日本の小学校PTAから寄贈された絵本を地元ガジャマダ大学の学生とともにインドネシア語に翻訳し、これを防災情報拠点に収めた。おとなから子どもまでが防災・減災に関心を持ってもらえるよう地域の事情を熟知した研究者の工夫で、これまでにない地域への接近法が確立された。
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