平成19年度では、日本舞踊の表現における「女らしさ」「男らしさ」を、熟練した舞踊家が行う動作そのものの特性と、それを鑑賞した際の印象特性の両面から検討するために、日本舞踊熟練者(名取)男性3名と女性1名に7種類の動きを踊ることを求めた実験を行った。猪崎(2006)による印象評価の17対語による評定用語を用いて、舞踊経験のない若年女性37名に日本舞踊熟練者女性1名について7種類の舞踊動作の鑑賞に関する質問紙調査を行った。 男性3名における7種類の舞踊動作の分析は、3次元動作解析プログラムを用いて検討している途中である。日本舞踊の女性熟練者における印象評価実験では、統計的処理を用いて、「バレエと日本舞踊における熟練者の身体表現-手の動きと足の運びを中心に-」のテーマで表現文化研究に原著論文として投稿した。この原著論文では、鑑賞者から見た舞踊様式を超えた熟練者の身体性を検討することができたと考える。 平成20年度では、日本舞踊熟練者(名取)女性3名を対象とした舞踊動作実験におけるデータと画像を取得し、男性熟練者3名と女性熟練者3名の舞踊動作特性と印象特性の比較を行う予定である。
|