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2009 年度 実績報告書

ヴァナキュラー写真の美学―物=イメージとしての写真の諸相についての比較研究―

研究課題

研究課題/領域番号 19652014
研究機関神戸大学

研究代表者

前川 修  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20300254)

キーワード写真 / ヴァナキュラー / マテリアル・カルチャー
研究概要

本年度は、まず二〇世紀後半のヴァナキュラー写真資料調査をし、世界各地で関催されつつあるヴァナキュラー写真展を概観する作業を行った。またこれとともに、理論的枠組みとしてのヴァナキュラー写真論の起源をいくつかの言説において検討した。
まず、ポストモダン以降の写真論(アラン・セクーラ)を手掛かりに、ヴァナキュラー写真を含めた写真の機能を論じるための理論的核(論文「セクーラの写真論」、)。また、ポストモダンの写真論が、モダニズム的議論の行き詰まり、そしてその遠因であるメディア相互(絵画、写真、ヴィデオ)の摩擦とも言える状況に由来すること、つまりヴァナキュラーなイメージの相互参照の次元から生じていることも明らかにした(発表「メディア論の憑依」)。
第二に、ヴァナキュラー写真の身体とイメージ=物とのかかわりについて、先行する研究(ハンス・ベルティング)を参照しながら、イメージの力学が陥りがちなある種の形而上学を批判的に検討しながら、写真におり重ねられる記憶や身体の次元を詳細に検討した(論文「物としての写真/写真としての物」)。
第三に、従来、モダニズム写真論(写真史)の権威とみなされている写真批評家ジョン・シャーカフスキーの言説を読解し、彼の理論の影響関係を掘り起こし、コーウェンホーヴェンやジョージ・キューブラーなどの「ヴァナキュラー文化論」や「物の歴史」がシャーカフスキーの論の根底に深くかかわっていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] セクーラの写真論-写真を逆撫ですること-2009

    • 著者名/発表者名
      前川修
    • 雑誌名

      『写真空間』3号(青弓社) 3

      ページ: 101-113

  • [雑誌論文] 物としての写真/写真としての物2009

    • 著者名/発表者名
      前川修
    • 雑誌名

      『美術フォーラム21』20号(醍醐書房)

      ページ: 116-121

  • [学会発表] メディア論の憑依2009

    • 著者名/発表者名
      前川修
    • 学会等名
      美学会全国大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2009-10-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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