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2009 年度 実績報告書

パンテオン研究

研究課題

研究課題/領域番号 19652021
研究機関北海道大学

研究代表者

竹内 修一  北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40345244)

キーワードパンテオン / マルロー / フランス共和国 / 偉人
研究概要

フランスの首都パリの第五区に位置する、パンテオンという共和国のモニュメントを社会と文学との関連で考察するのが本研究の目的である。昨年末サルコジ大統領は、死後50周年にあたる翌2010年に、作家アルベール・カミュの棺をパンテオンに移す希望を表明したが、反対・賛成ともに様々な議論を巻き起こし、結局カミュの親族の反対で実現しなかった。これは、パンテオンという共和国のモニュメントと作家の遺族というプライベートな側面との関係を考えるうえで興味深い事件であった。
そのカミュに関して、12月26日に「恩赦と恩寵-カミュに於ける《grace》の問題」というタイトルで口頭発表を行い、それにもとづく論文を『カミュ研究』第9号(2010年5月刊行)に掲載する。これは、神学的「恩寵」と世俗的「恩赦」という意味をもつ《grace》の概念を中心にカミュの作品を論じたものである。また丸善から刊行が予定されている『フランス文化事典』に於いて「パンテオンと文学者」の項目を担当する予定である。
なお本年度も、専門家を北海道大学に招いてふたつの講演会を開催した。
山上浩嗣氏(関西学院大学)による講演「パスカルにおける病と身体」(10月30日)は、キリスト教護教論を構想したパスカルに関するものであるが、対比的に、反キリスト教である「革命」に由来するパンテオンの問題を考察するうえで有意義なものであった。
田中琢三氏(フェリス女学院大学他講師)による講演「ゾラのパンテオン葬と終わりなきドレフュス事件」(12月17日)は、反ドレフュス派からはスキャンダル視された、共和国政府によるこのパンテオン葬の決定が、どれほどの議論を巻き起こしたかを説明し、そしてそこで鮮明化した「反ユダヤ主義」の問題はその後の二つの世界大戦にまで継続することを指摘するものであった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 恩赦と恩寵-カミュに於ける《grace》の問題2010

    • 著者名/発表者名
      竹内修一
    • 雑誌名

      『カミュ研究』第9号 第9号(2010年5月発行予定)

      ページ: 20-43

    • 査読あり
  • [学会発表] 恩赦と恩寵-カミュに於ける《grace》の問題2009

    • 著者名/発表者名
      竹内修一
    • 学会等名
      カミュ研究会
    • 発表場所
      キャンパスプラザ京都
    • 年月日
      2009-12-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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