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2009 年度 実績報告書

日本語を対象とした語用論の動的側面の形式化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19652034
研究機関北海道大学

研究代表者

小野 芳彦  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20126022)

研究分担者 加藤 重広  北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40283048)
山田 友幸  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40166723)
中戸川 孝治  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20237316)
キーワード語用論 / 日本語学 / 動的側面 / 関連性理論 / 演繹的推論規則 / 意図の論理 / 談話分析 / 発話行為
研究概要

本研究は、語用論の動的側面の形式化を図ろうとするものである。
昨年度検討した我々の形式化は、関連性理論のいう総合的演繹規則を更新関数とするもので、発話自身が変化しなくても、話者の意図の切り替えによって、適用する演繹規則を切り替えることができ、語用論的な解釈の動的側面を説明している。本年度は、演繹規則の位置づけ、あるいは演繹規則の切り替えの原理的な仕組みについて検討した。演繹規則のうち切り替わりうるものとは、知識や思い込みといったものであり、それらは推論においてデフォルトをなしている。短いスパンの発話が動的というより静的におこなわれているのは、デフォルト論理でエクステンションを静的に確定させることができる(つまり、知らなくてもいつか知ることが出来る)ことに対応している。談話の真に動的な部分は、デフォルトとして働く演繹規則が切り替わることでおきるのであり、それは意図をもってデフォルトを切り替える(つまり、エクステンションを変える)ことに相当すると定式化することができる。論理学の理論としてアップグレード論理が最近脚光をあびているが、それとの対応を検討している。
これらの装置の下で、言語による伝達の形式化をより精密に検討した。日本語においては、会話の文が命題あるいは論理形式を構成する力が弱く、曖昧な伝達やプランニングが見られるが、それらを制約の形式で伝達するようなモデルを仮定すると、談話レベルのプランニングが明確になることが分かった。統語理論として過去に検討されてきた情報の部分性に関する研究との対応を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Frege, his Logic and His Philosophy : Interview with Michael Beeney2010

    • 著者名/発表者名
      Michael Beebey, Chen Bo, Koji Nakatogawa
    • 雑誌名

      Journal of the Graduate School of Letters, Hokkaido University 5

      ページ: 1-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 動的文脈論再考2009

    • 著者名/発表者名
      加藤重広
    • 雑誌名

      北海道大学大学院文学研究科紀要 128号

      ページ: 195-223

  • [学会発表] 話しことばの諸相2010

    • 著者名/発表者名
      小野芳彦
    • 学会等名
      第4回国際ワークショップ『東アジアの言語・文化の比較』
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-03-23
  • [学会発表] 語用論の基礎から展開へ2009

    • 著者名/発表者名
      加藤重広
    • 学会等名
      日本コミュニケーション障害学会第28回講習会
    • 発表場所
      上智大学
    • 年月日
      2009-10-17
  • [学会発表] 日本語受動文の語用論2009

    • 著者名/発表者名
      加藤重広
    • 学会等名
      ことばのミステリー研究会
    • 発表場所
      北海道大学東京オフィス
    • 年月日
      2009-07-04
  • [備考]

    • URL

      http://ononta.lit.let.hokudai.ac.jp/yono-kaken/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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