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2008 年度 実績報告書

非漢字圏日本語学習者による漢字語の意味の推測過程についての縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19652047
研究機関福井大学

研究代表者

桑原 陽子  福井大学, 留学生センター, 准教授 (30397286)

研究分担者 中園 博美  島根大学, 外国語教育センター, 准教授 (40314611)
キーワード非漢字圏日本語学習者 / 意味推測 / 漢字語 / 語構成
研究概要

平成19年度に行った予備調査の結果をふまえ、引き続き非漢字圏日本語学習者計4名(中級以上)を被調査者として意味推測のストラテジー調査を行った。
調査材料 150〜200字程度の日本語の文章と漢字語の意味推測課題シート。
調査方法 個別調査。約4ヶ月に渡り約2週間ごとに実施。概要は次の通り。(1)漢字語の既知未知の判断と意味推測課題シート完成。(2)文章の内容理解のための黙読。(3)漢字語の読み確認(音読)。(4)1文ずつ意味を説明(日本語か英語)。調査者は適宜、漢字語の意味を確認し、なぜそう考えたか説明させる。(5)(1)の漢字語について文章読解後の意味の変化を報告。(6)文章中の未知語を報告。(7)調査者が単語・文章について解説。
【結果と考察】
語構成と意味推測 意味推測の成功には、漢字語の語構成が明確なことが影響していることが示唆された。また、意味推測の失敗の事例から、誤った推測であっても何らかの推測が可能となるには語構成が明確であることが必要なことが示された。この語構成の透明度は単語によって大きく異なっており、同じ語構成を持つ単語であっても、透明度が低くなれば漢字自体の難易度にかかわらず意味推測が困難になることが示された(例:君臨)。
動詞の多義性と意味推測 同一の漢字が複数の意味・用法を有する場合、意味推測にどれが使われるかによって、推測の成功不成功が大きく影響される。特に、「接辞」の用法は、上級学習者であっても推測困難であることが示された(例:殺到)。
漢字の使用頻度と意味推測 個々の漢字が漢字語(2字熟語)を構成する場合、左(前)に使われる頻度と右(後ろ)に使われる頻度は漢字ごとに異なる。漢字語の意味推測に、当該漢字を構成する漢字の左右の位置の頻度が関わる可能性、すなわち、使用頻度の高い位置に使われているほうが、意味推測が成功する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 漢字未知語の意味推測に及ぼす語構成の影響-中上級非漢字系日本語学習者のケーススタディより-2009

    • 著者名/発表者名
      桑原陽子
    • 雑誌名

      福井大学留学生センター紀要 4

      ページ: 21-30

    • 査読あり
  • [学会発表] 非漢字圏日本語学習者の漢字未知語の意味推測ストラテジーに関する一考察 -中級学習者のケーススタディより-2008

    • 著者名/発表者名
      桑原陽子
    • 学会等名
      2008年度CAJLE (Canadian Association for Japanese Language Education)年次大会
    • 発表場所
      トロント(カナダ)
    • 年月日
      2008-08-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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