研究概要 |
本年度は,まずペルガモン王国に関する先行研究を調査・読破することを主眼においた。 (1)まず,E.V.Hansen,TheAttalidsofPergamon,IthacaandLondon,1971やR.E.Allen,TheAttalidKingdom,OxfordClarendonPress,1983などの精査を試みた。 同時に,これらの著作に引用されている古代の作家(ストラボン,リーヴィウス,パウサニアス,ポリュビオスなど)の著作を精査・分析した。特にパウサニアスの著作から,当時の遺跡の様相を復元する作業にとりかかった。 (2)ついで,夏季に小アジアの現ベルガマ(旧ペルガモン)を訪れて,現在ドイツ考古学調査隊によって発掘されている遺跡を実見し,アスクレビオス神殿や野外劇場をはじめとする古代ペルガモン遺跡を調査した。 (3)秋からは実地の検分結果と,現代に伝わる史料との整合性を確かめた。 今年度は,まずペルガモン王国の,東地中海世界における政治的な役割を主に解明することを試みた。
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