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2007 年度 実績報告書

誰との格差が重要か-不平等の実感と所得再分配の選好の経済学実験からの検証

研究課題

研究課題/領域番号 19653026
研究機関京都産業大学

研究代表者

飯田 善郎  京都産業大学, 経済学部, 准教授 (50273727)

キーワード所得格差 / 再分配 / 所有権 / アンケート調査
研究概要

本研究の目的意識は1.格差を意識し不満を覚える主体はそもそも誰との格差を意識するか2.格差に不満を覚える・再分配を求める心理の主因は何かである。今年度は考えられる要因を絞るため、アンケート調査を主として行った。対象は25歳から45歳の男女有職者で、依頼数は1570、有効回答数は604であった。分析は途上であるが結果の概要は以下の通り。
1.については具体的な人物が最も想起される比較対象であったが、平均所得の統計を想起するとした回答者も4割強存在した。また具体的な人物が想起される場合、年齢・職業などで共通点がある身近な人物が比較対象として意識されやすい一方、主にマスコミの報道で知った面識のない相手も自らの所得水準を評価する際の比較対象として考える者ものべ回答者数の4割強存在した。対象にした他者の所得水準や統計をどの程度正確に知っているかについては、なんとなく知っている程度と答えた回答が最も多く、不正確な推察から態度を決めている傾向が確認された。
2.については、再分配は政治的手段による持てる者からの収奪であり、Nozic(1979)が指摘する他者の所有権への敬意という倫理観に反するものであることに注目し、その倫理を乗り越える心理的要因を確認するため(1)比較対象にした他者が当人より低所得の者に対しての所得再分配に応じる責任がある考える程度(2)その他者の所得がどの程度正当な所有権をもつものであると考えるか(3)その他者が所得を得るためどれだけの努力をしていると考えているかについて尋ね、回答にそれぞれに相関があること、つまり他者の高所得が当人の努力によるものでないと考える者ほど他者に再分配を求めることを確認した。また努力の承認と格差への不満の相関も確認された。ただし所得格差への不満と他者が再分配すべきと考える程度との間に有意な相関が見られず、両者の関係が間接的であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of the Inter-group Competition in the Prisoner's Dilemma Game2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshio Iida
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Economics and Mathematical Systems, Developments on Experimental Economics 590

      ページ: 157-162

  • [学会発表] Contributing for Myself, but Free-Riding for My Group?2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshio Iida
    • 学会等名
      The 11th Experimental Social Sciences Conference in Japan
    • 発表場所
      Waseda University
    • 年月日
      2007-10-27

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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