研究概要 |
本年度は初年度であるため,酒類産業生販3層と異なる酒類(種級)のメーカーへの聞き取り調査をおこない,本調査を敢行するために必要な人的ネットワークを形成することができた。上半期には,福岡の複数の酒販店,卸売業者,蔵元(清酒,焼酎),佐賀の蔵元(清酒のみ)には複数回の訪問を通じて,東京の酒類卸,千葉の酒販店,インポーターなどを紹介してもらった。さまざまな場所で開かれる展示会にも積極的に参加し,多くの業界関係者に知己をえることができた。 上記の活動の結果,9月にフランスへ行った際には,ワイナリー,政府機関(SOPEXA),小売店への聞き取り調査が実現した。また下半期には,熊本県卸売組合,人吉酒造組合,鹿児島県卸売組合,酒造組合の紹介で,焼酎の蔵元にも聞き取り調査をすることができた。さらに,当該分野に関係する研究者との交流も実現した(専修大学見目洋子氏,鹿児島大学鮫島吉廣氏)。酒類流通をめぐって重要なのは「消費者との良好な関係を構築する仕組み作り」であり,酒類だけをとりあげて分析するだけでは不十分で,酒類を提供するレストラン,外食産業との関係が重要であることがわかってきた。 初年度であり,新規の調査先開拓を優先させたが,来年度は成果発表にも力を注ぎたい。
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