平成20年度、7月に日本商業学会で、本研究の成果の一部の報告をおこなった。11月、パリとロワールで引き続きヒアリング調査をおこない、ワイン流通の研究対象を「有機ブドウを栽培してなるべく自然な製法で醸造する」ビオ・ワインを巡る状況に焦点を絞るということに決定した。またそれと同時に、日本の酒類も、伝統的な製法を維持しながら醸造を続けている醸造場と流通について研究することに決定した。 今後、本格的に酒類流通における国際比較をおこなうためにも協力してもらえる共同研究者を探したいと考えていた。幸運なことに、京都大学で在外研究をおこなっていたボルドー・マネジメント・スクール(BEM)のタチアナ・シャミーヴァ教授と知り合うことができた。まず、滋賀県の蔵元へ一緒に行きヒアリング調査を実施し、共同でケース・スタディを執筆することとなり、それについてワインの国際学会で報告する機会が与えられた。3月にはその打ち合わせをおこなった。3月には私がボルドーへ訪問し、ワイン経営大学院をもつBEMで他の研究者も紹介してもらった。また、ワインの中でも、ビオ・ワインの動向について共同研究をおこなうことでも意見が一致し、ボルドーではまだ珍しいビオ・ワインを醸造しているワイナリーをヒアリング調査した。研究実施計画にも書いている通り、今後、本格的に共同研究を推進する予定としている。
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