研究課題
平成19年度は、予備調査(サンプリング調査)として「社会福祉系大学の導入教育プログラムと学生の実態調査」を実施した。入学における導入教育プログラム(初年次教育プログラム)のカリキュラムの実施状況とその内容について把握すること、学生の実熊調査については、入学時と入学後8ケ月経過時点での意識や学習意欲の変化を把握することを目的として実施した。以下概要と結果を記述する。1.初年次教育プログラムに関するカリキュラム調査全国84大学を対象に郵送調査を実施。その結果、大学ごとに教育の内容や目的ばらつきがあり教育効果の評価すら行われていないことが明らかになった。2.学生実態調査(生活体験および学習活動と学生生活に関するアンケート調査)入学時点(4〜5月)における入学動機、入学前の学習方法、入学後の単習計画、社会福祉の学習に対する意欲等に関する調査を、全国8大学、約1,000名を対象に実施。12月には、ほぼ同じ対象者に対し、入学動機や入学前の状態に関する項目を除いた項目についての意識調査を実施し、両調査結果の変化を分析した。結果として、社会福祉学習に対する意欲には大きな変化は見られず、中には意欲が低下したと推測される傾向を示す大学もみられた。このことから、専門教育前の導入教育が極めてなおざりに行われ、そのことが学生の学習意欲を低下させていると推測される。このことに鑑み、2年目では同大学に対しカリキュラム調査と意識調査をセットで行うことによって、どの初年次教育プログラムが効果的で、その要因を明らかにすることに重点を置いて研究を進める必要がある。これを通じて、大学という新しい環境の中で、改めて学習意欲を持ちかけている学生の意欲を肯定し奨励することで、専門的学習への導入を図る方法と内容を開発することは昨年の調査結果からみても極めて重要な課題である。
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