本研究は、大学教員と大学院生が、特定保育所と提携し、子どもや保育活動の観察・アセスメントおよびそれについて話し合いを重ねる中で、どのような参入の仕方が、双方にとって最もメリットのあるものになり得登かを探索的に明らかにすることを目的とするものである。今年度は、京都市内の3保育所と連携関係を結び、それぞれに2名の大学院生が定期的に通い、観察および保育スタッフとの協議、発達心理学の基礎的レクチャー等を通した研修支援などを行い、保育所の様々な問題(例えば、保育スタッフ同士のコミュニケーションの不足、専門的知識・スキル養成機会の欠落、外部リソースとの連絡経路の未開拓など)を掘り起こすと同時に、それらに対するあり得べき対応策について保育スタッフ、大学教員、大学院生で総合的に検討を行った。また、これと同時並行的に、保育現場との実践的な連携を通して、大学院生が子どもの発達に関する認識をいかに変え得たか、また、研究テーマにその経験をどのように活かし得たかなどについて大学教員が大学院生に面接調査を実施し、発達心理学の種々の研究知見を保育実践に有効に生かすための専門的な眼識力が、こうした一連の活動を通して効率的に養われ得るとの予備的結果を得た。さらに、世界的に定評のあるDenham&Burton(2003)の子どもの社会情緒的発達の支援プログラムに関する国内外の研究や実践例を精査し、最新の知見や保育スキルを、具体的に保育現場のどのようなところにいかなる形で結びつけ得るかの検討会を継続的に行い、次年度以降の本格実施に向けて然るべき準備体制を築いた
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