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2009 年度 実績報告書

大学と保育機関の連携による子どもの総合的発達支援体制の構築に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 19653067
研究機関東京大学

研究代表者

遠藤 利彦  東京大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90242106)

キーワード発達支援 / 保育支援 / 自律的研修の促進 / 双方向型連携 / 理論実践型モデル / 参与観察 / 院内保育所 / 病児保育
研究概要

本研究は、大学教員と大学院生が、特定保育所と提携し、子どもや保育活動の観察・アセスメントおよびそれについて研修・話し合いを重ねる中で、どのような参入の仕方が、双方にとって最もメリットのあるものになり得るかを探索的に明らかにすることを目的とするものである。今年度も前年度に引き続き、連携関係を結んだ保育所に、大学教員と大学院生が定期的に通い、観察および保育スタッフとの協議、発達心理学の基礎的レクチャー等を通した研修支援などを行い、保育所の様々な問題(例えば、保育スタッフ同士のコミュニケーションの不足、専門的知識・スキル養成機会の欠落、外部リソースとの連絡経路の未開拓など)を掘り起こすと同時に、それらに対するあり得べき対応策について保育スタッフ、大学教員、大学院生で総合的に検討を行った。今年度は、特に院内保育所における病児の観察および保育スタッフとの共同研修等の機会を設け、病児におけるアタッチメント形成の難しさおよびそれがその他の領域の発達にいかなる長期的影響を及ぼし得るかという視点から、大学研究室と保育現場の連携のあり方を模索した。病児においては、まさに自身の病気やけがおよびそれらに対する治療上の困難等に起因して、極度にアタッチメント欲求を活性化されていながら、入院等によって主要なアタッチメント対象たる養育者等との分離を余儀なくされ、適切な情動制御がなされないままになるケース、および遊びを含めた探索活動が大きく制約を受けることから強いフラストレーションを抱え込むケースなどが相対的に多く存在する可能性が示唆され、そうしたケースに対して促育および病院スタッフがいかに対応すべきかということの実践的解明が喫緊の課題であることが認識された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦
    • 雑誌名

      心理臨床の基礎としての発達心理学坂本真士・杉山崇(編)「臨床に活かす基礎心理学」所収(東京大学出版会)

      ページ: 28(127-154)

  • [雑誌論文] 乳児保育とアタッチメント2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦・井桁容子
    • 雑誌名

      赤ちゃん学カフェ 2

      ページ: 40-51

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦
    • 雑誌名

      自己と感情:その進化論・文化論有光興記・菊池章夫(編)「自己意識的感情の心理学」所収(北大路書房)

      ページ: 35(2-36)

  • [学会発表] 「臨床発達心理学」の構築に向けて:社会情動的発達における個と関係性2010

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 乳幼児期における社会的認知の発達2009

    • 著者名/発表者名
      板倉昭二・遠藤利彦, 他3名
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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