研究概要 |
我が国の高等教育において将来的に履修証明制度が普及・定着する上で重要であると考えられる4つの要因,すなわち,(1)雇用慣行と高等教育の関係,(2)社会的学習需要への大学の対応,(3)履修証明プログラムの質保証,(4)履修証明プログラムへのアドミッション(履修者の受け入れ),について,国内調査と海外調査(平成19年度の対象はアメリカ)によって関連情報を収集した。 国内調査:我が国の大学学士課程における履修証明制度の普及の概況を把握するため,国公私立大学のすべての学部を対象とした質問紙法による調査を実施した。調査項目は,(1)履修証明プログラム導入の有無,履修証明プログラムを導入している場合,(2)プログラムの名称,(3)関係する専門分野,(4)プログラムを構成する科目数・単位数,(5)履修資格,(6)取得単位の卒業単位への算入の有無,(7)履修証明の対外的表示方法,(8)受講経費の負担形態,(9)プログラムの導入年度,の9項目である。調査対象の内訳は,国立大学の学部:369,公立大学の学部:156,私立大学の学部:1,442,計1,967学部である。 海外調査:ひとつの組織内に研究中心大学からコミュニティカレッジまでの幅広い高等教育機関を包含する高等教育システムの典型例であるニューヨーク州立大学(SUNY)(教育管理・政策研究科,公共衛生研究科),及び専門職養成プログラムの審査・認定を統括しているニューヨーク州教育省・専門職部(Officeof Profession)を対象として,聞き取りによる実地調査を行った。調査項目は上記国内調査の場合と同様であるが,履修証明プログラムの質保証及び履修証明プログラムと専門職の資格認定との関係については特に詳細な情報を収集した。
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