研究概要 |
我が国の高等教育において履修証明制度が定着・普及する上で重要な規定因になると考えられる, (1)雇用慣行と高等教育の関係, (2)社会的学習需要への高等教育機関の対応, (3)履修証明プログラムの質保証, (4)履修証明プログラムへのアドミッション(履修者の受入れ), という4つのポイントに関連する国内外の状況を調査し, これまでに蓄積した知見を踏まえた総合的な分析・検討を行った。 国内の状況調査としては, 昨年度後半に全国の国公私立大学を対象として実施した調査の補充調査と, それらから得られた情報の詳細な分析を行った。分析の観点は, (1)履修証明プログラムの名称, (2)関係する専門領域, (3)プログラムの構成, (4)履修の事実の対外的表示方法, (5)履修者の経費負担, 等である。その分析結果の一部については, 日本キャリア教育学会第30回研究大会(会場 : 東北大学, 期日 : 平成20年10月26日)において発表した 国外の状況調査としては, オーストラリアの大学における履修証明制度の実態調査を実施した(調査期間 : 平成20年12月6日〜12月12日)。対象としたのは, ニューサウスウェールズ大学・才能教育研究センター, 同大学・医学部公衆衛生・地域医療学科, シドニー大学・継続教育センター, 教育雇用職場関係省, キャンベラ大学・教授・学習センターである。それらの機関に対して, (1)履修証明プログラムの内容構成, (2)履修証明プログラム履修者のプロフィール, (3)履修証明プログラムを巡る問題, (4)その他の関連事項, について, 担当者への聞き取りによる調査を実施した。
|