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2009 年度 実績報告書

ドイツとイギリスにおける戦後歴史教育の比較研究:歴史教科書の調査を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 19653086
研究機関筑波大学

研究代表者

柴田 政子  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (30400609)

キーワード第二次世界大戦 / 歴史教育 / 歴史教科書 / 政府教育指針 / イギリス / ドイツ
研究概要

本研究最終年度の今年度の成果は、ロンドン大学教育大学院図書館(英)及びゲオルク・エッカート・インスティテュート(独)において、初年度に調査した教科書と、二年目に行った教科書内容に重要に関わる政府による指導指針の文書について、不足していた部分や補足したい資料について集中的に調査したことである。このことで、技術的問題等で欠損していた部分や、コピーやスキャン文書が不鮮明であった部分、また調査の当時に文書が不在であったなどの理由で欠けていた箇所を補充することができた。この研究の意義は、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の戦勝国と敗戦国が、各々いかなるアプローチでその歴史を公教育という場で解釈し伝えてきたかということを探るとともに、両国の事例を比較検討することを通して、アジアにおける歴史対話という重要な政治的・教育的課題を抱えるわが国の歴史教育のあり方について再考するひとつの手がかりを提示することであった。よって、本年度の論文・口頭での研究発表は、上記調査結果を踏まえ、日本の歴史教育への取り組みについて議論をする内容となった。この三年間の研究を通して発見できたことは、当初の予想とほぼ同様で、ドイツの教科書記述の詳細さ・綿密さ・分量の多さからして歴史教育に対する重点政策が読み取れ、イギリスに関しては第二次世界大戦とはナチス・ドイツが中心的アクターとして理解できる記述がほとんどであった。独英両国の大戦に関わる歴史教育の実態を詳細に調べられたことは、全体として大きな成果であったと考えるが、一方で、前期・後期中等教育の教諭であった本研究者は、活字で認識する歴史としての教科書が、各学校・各教室・各教員により様々な環境・解釈で用いられ、当然のことながら教育内容を把握する上ではひとつの方法・側面に過ぎないことを現場で強く認識してきた。よって、本研究に今後つながる研究として、学校の教室外であるが広い意味で公の場で行われている歴史教育について、本件と同様とくた第二次世界大戦の歴史において、わが国と深く関わる国々を対象に調査したいと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Globalization and Education in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Shibata, Masako, Ohkura, Kentaro
    • 雑誌名

      Yearbook of the National Society for the Study of Education 108(2)

      ページ: 160-179(担当(160-167)

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      Cowen, Robert, Kazamias, Aandreas
    • 雑誌名

      International Handbook of Comparative Education, Part Two(Springer)

      ページ: 1209-1223

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      Sobe, Noah
    • 雑誌名

      American Post-Conflict Educational Reform : From the Spanish-American War to Iraq(Palgrave Macmillan)

      ページ: 129-145

  • [学会発表] The National Past in the Context of International Politics : The treatment of World War II2010

    • 著者名/発表者名
      柴田政子
    • 学会等名
      The International Workshop held by the International Standing Conference for the History of Education and the Institute of Development studies Kolkata
    • 発表場所
      カルカッタ大学(インド)
    • 年月日
      2010-02-04
  • [学会発表] ドイツを中心としたヨーロッパの歴史教育についての一考察2009

    • 著者名/発表者名
      柴田政子
    • 学会等名
      第44回 フォーラム・ドイツの教育研究大会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2009-08-29
  • [学会発表] 博物館における歴史教育:展示と過去の再構築2009

    • 著者名/発表者名
      柴田政子
    • 学会等名
      第19回 日本国際理解教育学会
    • 発表場所
      同志社女子大学
    • 年月日
      2009-06-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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