平成20年度は、養護教諭のための現職教育支援プログラム立案モデルの基盤となる理論的枠組みの構築と共に、モデルの構成要素となるアセスメントツール2種類を次のように開発した。 1.養護教諭の現職教育に関わる国内の文献を収集・精読した結果に基づき、養護教諭養成教育の歴史的背景、現状における課題を検討した。その結果を看護継続教育支援システムに統合し、理論的枠組みを構築した。また、我が国の養護教諭の養成教育が、複雑かつ多様であり、必要とされる継続教育も多様であるという特徴を理解した。この成果を教育支援プログラム立案モデルに反映させる予定である。 2.平成19年度、現職養護教諭が知覚する養護教諭のロールモデル行動を調査し、養護教諭のロールモデル行動35種類と、養護教諭としての望ましい状態を表す9側面を明らかにした。平成20年度は、その成果に基づき、9下位尺度63項目からなる「教育ニードアセスメントツール-養護教諭用-」を作成し、専門家会議、パイロットスタディを実施してツールを洗練した。 3.2.と同時(平成19年度)に、現職養護教諭が要望する学習内容も調査した。平成20年度は、そのデータを分析し、養護教諭の学習ニード27種類を明らかにした。その成果に基づき、27項目からなる「学習ニードアセスメントツール-養護教諭用-」を作成し、専門家会議、パイロットスタディを実施してツールを洗練した。 4.作成した「教育ニードアセスメントツール」「学習ニードアセスメントツール」の2種類と養護教諭特性調査紙を用いて、全国の養護教諭に対し、本調査を実施した。今後は、収集したデータを分析し、ツールの信頼性・妥当性を検証する。その後は、開発したアセスメントツールを組み込み、養護教諭のための現職教育支援プログラム立案モデルを構築する予定である。
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