研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続きイギリス女子中等学校に関する資料(ISA、GSA関連の資料、およびGirls School Yearbookの関連記事)及び19〜20世紀前半にかけての少女雑誌、女性雑誌の動向と資料(Lady's Magazine, The Englishwoman's domestic magazine等の関連記事)を収集し、それらをもとにイギリスにおける女子中等教育の隆盛と女性の教養概念の形成とその特徴について分析した。その際とくに、アカデミックな能力や科学的学問観と並んで、「慎ましさ」のエトスやいわゆるaccomplishmentに関わる教育に注目し、その社会的意味や特徴について考察した。さらに、それらを戦前期日本における高等女学校の教育や課外活動と比較し、その共通点とちがいについても分析を行なった。こうした作業を通して、近代日本における女性の教養の特徴やその社会的意味を実証的な視点から明らかにする基礎をつくることができた。 これらの分析結果については、部分的に報告書論文として掲載したが、現在、研究室紀要、研究科紀要に論文としてまとめる作業を行なっている。
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