1.実施内容 本研究は、日本人留学生を対象とする文化行動学習プログラムを、新たに開発・実践することで、留学の成功をサポートしようとするものである。日本人学生のニーズに合わせてアメリカで必要となるソーシャルスキルのトレーニングを施してから渡航してもらう。こうして彼らの留学を成功に導くための準備教育を提案することを目的としている。初年度である今年度(平成19年度)は、まず教育対象となる学生のニーズを分析することから始め、その後初回の予備的プログラムを試行した。具体的には国立大学法人でされている短期交換留学プログラムにおいて、派遣予定の日本人学生を対象として渡航前のトレーニングを実施した。さらに渡航後に研究代表者がアメリカの大学で学んでいる彼らを訪問し、トレーニングの効果について調べた。インタビュー及び質問紙調査に加えて、経験している問題のヒアリングも行った。初年度の終わりに、初回プログラムの効果を分析し、次年度に向けて調整と改善を行った。 2.成果と意義 従来日本の大学では留学前の準備教育としては、外国語の勉強や情報提供のための説明会が主流であったため、文化行動の学習の重要性が見過ごされてきた。本研究のような取り組みによって、日本からの留学生がスムーズに留学先での学習・生活に移行できるように支援することが可能となる。また、留学生政策を量と質の両面で発展させていくための施策となることが期待できる。ゆえに実践研究として有意義である。
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