研究概要 |
19年底は補助器具の形状最適化や使用の有効性について,被験者による演奏・動作の分析を行った。現在,データ数を増やし,教材開発に生かせるように実験を継続中である。 *単音,重音,和音(それぞれの複数音を含む)ピアノ経験の有無,補助器具使用の有無に分けて指導を行った第1次実験(被験者10名)の分析結果では,奏法に注意しながら演奏するためか,いずれの被験者も指導前の演奏に比ベ,指導後は音量が小さくなっていた。未経験者が補助器具を用いた場合に,音量(ベロシティ),打鍵時間間隔(I0I)に有効と思われる違いがみられた。しかし,まだデータ数が少ないため,これからの実験で結果を出す必要がある。 *次に打鍵コントロール能力の変化や違いを調査するために,音階や連続した重音を使って,より滑らかに,より強く,より早く演奏できることを目的に実験を行っている。指導後の画像分析で,手首,肘の運動が大きく使えるようになっているようである。 *これらの実験を行う際に,被験者それぞれに合う補助器具を選択させることで,補助器具の最適な形状を調査し,合わせて学習システムにつながる手順を検討中である。 学習システム・教材開発は,現在行っている実験結果を十分に生かして,テキスト楽譜を作成中である。H20年度において,実験結果を踏まえて,奏者の音楽的イメージと打鍵による発音を運動情報として身体感覚で明確に学習できるような教材にしたいと考えている。
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