本研究は、相違や差異の要因として、地域、文化、民族、人種、宗教、言語、歴史を仮定し、これらの観点からシティズンシップ教育を解明し、その相違・差異を明らかにし、アジア的シティズンシップ教育とヨーロッパ的シティズンシップ教育の2つの類型化を図ることを目的にしている。 第1年次として次の5点を主な成果として挙げた。 1 近年のシティズンシップ教育研究を各国別に調査し、その現状を整理するとともに、その課題を明らかにした。 2 2007年8月6-8日、中国東北師範大学で開催された中国、日本、韓国3国のカリキュラム研究会にて、発表し、中国と韓国の研究者と交流をおこなった。 3 2007年9月27日、英国、アンソニー・ヘインズ氏による「シティズンシップ教育と学習材」の講演会を、10月16日、中国、華東師範大学の沈暁敏氏による「中国社会科教育の新しい動向」の講演会を、12月13日、韓国、ソウル教育大学の南景煕氏による「韓国人の社会心理・文化と韓国社会科教育の課題」の講演会を開催し、英国、中国、韓国の動向を理解した。 4 2007年11月11-16日、韓国、晋州市、テグ市を訪問し、小学校、中学校におけるシティズンシップ教育と考えられる社会科公民授業を調査・観察した。 5 中国、韓国、英国を中心に、アジア的シティズンシップ教育とヨーロッパ的シティズンシップ教育の特質となるものを考察し、次年度の研究課題を明らかにした。
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