研究者は当該研究期間中、アートプログラムの作成・検討を実施した。そして、アートプログラムによるワークショップを準備した。そのプロセスと連動させて、島嶼を数多くかかえ小規模校園が比較的多い長崎県の教育現場を発展させることと実践的指導力のある教員を養成することを目指し、また、新しい時代の要請に応える離島教育の革新に貢献する方策を探った。 その中で、感性的文脈における児童・生徒のセルフエスティームを育成するために、小学校の図画工作科・中学校の美術科で指導にあたる新人教員の養成のために利用可能なアートプログラムを開発してきた。 そして、アートプログラムによるワークショップ、「長大生とアートすると2010」「でてこい大きな紙芝居2010」を約2000人の参加者に対して、長崎県美術館で実施した。なお、大阪府の大阪市立日吉小学校、福岡県の私立鎮西敬愛小学校、長崎県の諌早市立西諫早小学校、五島列島南部の福江島福江地区の五島市立翁頭中学校、五島市立奥浦中学校、五島市立玉之浦小学校、及び、長崎玉成短期大学と連携した。 これらのアートプログラムによるワークショップの内容に対して評価・分析を行い、素朴で仲はよいが競争心・向上心が少ない子ども、あるいは集団の中で押されて萎縮してしまうことが多い子どもに対しての教材開発の基礎資料を収集しつつ、教員養成のみならず若手教員への研修等に役立てるアートプログラムについての開発する基盤を構築しようと試みた。
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