• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

LD等の発達障害児の不器用に関する教育支援研究

研究課題

研究課題/領域番号 19653120
研究機関東京学芸大学

研究代表者

奥住 秀之  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70280774)

キーワード発達障害 / 不器用 / 粗大運動 / 微細運動 / 運動の速さと正確性 / 指導と支援
研究概要

特殊教育から特別支援教育への転換にあって、LD等の発達障害児の指導と支援がますます注目されている。しかしそこでは、学習に関する障害(LD)、行動に関する障害(ADHD)、対人関係に関する障害(PDD)は注目されているが、不器用に代表される運動行為についてはほとんど注目されていない。本研究では、こうした、発達障害児の不器用(粗大運動及び微細運動)に焦点を当てて、そのメカニズムを解明するとともに、指導支援の原則を考案することを目的として行われた。その結果、以下のような事柄を実態として指摘した。(1)運動行為は速度と正確性の2側面からみるとトレードオフする存在であり、前者を優先させれば後者が低下し、後者を優先させれば前者が低下する。そして、発達障害児の中には、より速度優先で運動するタイプと、より正確性優先で(その結果、作業速度を犠牲にして)運動するタイプがいることが推察され、それぞれの指導支援の方針が異なる。(2)児童期でこの運動の速さと正確性を学校教育で用いる教具によって仔細に検討したところ、まず正確性が獲得されたのちに、運動速度が獲得されていくという発達的ダイナミズムを明らかにした。(3)運動コントロールに重要とされる実行機能を測るテストである手指作業的課題を用いて行ったところ、発達障害児では年齢にともないその成績は向上する傾向が示された。こうした結果を受け、今後の研究課題について、知的機能の影響(知的障害の有無の影響)、障害種の差異、全身運動と手指運動の差異など、いくつかの研究課題を指摘できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 知的障害者の歩行速度に関わる要因の検討2008

    • 著者名/発表者名
      奥住秀之, 國分充, 他6名
    • 雑誌名

      Equilibrium Research 67

      ページ: 200-204

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発達障害領域における実験心理学的研究2008

    • 著者名/発表者名
      奥住秀之
    • 雑誌名

      発達障害研究 30

      ページ: 298-302

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 知的障害特別支援学校に通う高校生における卒業後の労働と余暇に対する意識2008

    • 著者名/発表者名
      奥住秀之, 國分充, 他2名
    • 雑誌名

      SNEジャーナル 14

      ページ: 90-107

    • 査読あり
  • [学会発表] 自主シンポジウム・知的障害児・者の手指運動への発達的アプローチ2008

    • 著者名/発表者名
      國分充, 奥住秀之(企画)
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第46回大会
    • 発表場所
      米子コンベンションホール
    • 年月日
      2008-09-21

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi